電子決済(Eコマース用)の分類

実用化されている決済のうち、通信販売・インターネット事業者で利用できる決済を分類してみました。
実験中の決済は載せておりません。実用化されていて、洩れている決済があればメール下さい。

.インターネットだけではなく、通信販売に多く使われている決済方式

振込み



郵便振替え、銀行振込み(ネットバンクの振込み含む)、コンビニ振込み
振りこみ先を表記して振り込み確認後商品出荷、または商品に振りこみ用紙を同封する。

長所 ●利用者は限定されない。

●初期費用が殆ど掛からない(コンビニ振込みはかかる)。

●どの事業者でも利用できる(コンビニ振込みは制約あり)。

短所 ●その場で払えないので、ディジタルコンテンツには不向き。

●件数が多くなると、振込み照合が手間。
振込んだ人を特定する会員番号など、通信欄の規格が統一されていない。

●注文したが、振りこまない利用者のフォローが必要。

クレジットカード



SSL、クレジット代行、クレジットカード番号FAX・葉書受けなど
概要 クレジットカード番号・有効期限をショップで受け付け、CAT端末などを使って、クレジットカード会社に回収をまわす。

長所 ●回収責任はクレジットカード会社なので、回収漏れがない。

●クレジットカード保有者は、即時利用できる。

短所 ●不正使用されたらショップ責任。

●クレジットカード契約のハードルが高い。

●クレジットカード手数料が高い。

●CAT端末入力が手間。入力ミスの発生もショップ責任。(クレジット代行だとWEBから引継ぎ可能)

●他人使用を防ぐことが困難。

●入力されたカード番号の管理(外部流出のない)が大変。また、利用者にとっても不安。

代金引換




ヤマトコレクトサービス、イーショッピングなど
特徴 運送業者が配達時点で、代金を回収する。または、コンビニに商品が届き、レジで代金を払って商品を受け取る。

長所 ●代金回収漏れがない。

●利用者は限定されない。

短所 ●贈答には利用できない。

●宅配ボックス、近所の人の受け取り不可。

●受け取り時点でお金を用意しなければ、配達できない。(佐川急便ではクレジットカード、デビットカード支払いができる、ただし、代引き手数料に更に手数料が加わる)

●代引き料金が、比較的高い。

口座振替





三井ファイナンス、信販会社、生保会社など
特徴 はじめに口座振替用紙を登録しておいて、事業者は登録した口座から代金を引き落とす。

長所 ●口座振替代金が安い。

●利用者番号(会員番号など)を引落としデータに入れて引落せるので、照合は自動化できる。

●新たなシステム投資が殆ど不要。

短所 ●口座振替の登録が手間、利用時に即時利用できない。

●後払いなので、代金未回収リスクがある。(サイクルの短い口座振替を利用すれば、出荷前に口座振替することも可能)



2.インターネット専用の決済方式

電子クレジット方式





アコシス
(2002.3で営業終了)
概要
  • 加盟店、会員審査から利用の申し込み確認、売り上げ月次ご利用代金回収まで、クレジット会社が自ら運営する

長所
  • カード発行、送付費用、ご利用明細郵送費、クレジットの案内、加盟店DM費用が電子メール化され大幅コストダウン

  • カード会社が運営しているため利用時オーソリゼーションが即時、かつ費用が掛からない

  • 低額から高額まで利用可能で分割払いも利用できる

  • 会員番号等直接クレジット会社と会員間の暗号送信で、加盟店や認証機関、加盟店管理会社等中間段階がないので、セキュリティー面が簡単、強固

短所
  • ネットワーク専用なので、新規にクレジット申込が必要。

    • ライセンスによって信販会社、クレジット会社、銀行が電子クレジット導入の場合は短所にはならず。

ネットバンキングでのショッピング支払い(デビット方式)




UFJペイメントプレースジャパンネットバンクe-bank、郵貯インターネットホームサービス東京三菱eペイメントなど
概要
  • インターネットショップへの支払いを、ネットバンキングにリンクして即時行う。


長所
  • 即時支払いなので、デジタルコンテンツなどの即時利用も、有形商品の購入支払いもできる。

  • 銀行口座を持っていれば誰でも利用できる。

  • 加盟店手数料が一般的には安い。

短所
  • 利用のために、特別なソフトをインストールしたり、認証をしなければならない銀行がまだある。
  • 加盟店の接続がCGIなど利用するので、多少難しい。(SET方式を利用している銀行の場合はすごく難しい)
クレジットカード方式




V-mal(営業終了),イオンレジ
J-mall(2000.9.29で廃止)などクレジットカード会社直営モール
概要
  • クレジットカード会員でインターネットを利用する人にインターネット上の別番号を暗号化し流す

長所
  • 既存のクレジット会員が使用するため、新たに会員入会申し込みが不要であり、即時インターネット決済が使える

  • クレジット会社にとっては既存のクレジットシステムにインターネットのインターフェイスを付け加えるだけで済む

短所
  • 既存のクレジットカードの費用に、インターネット部分の費用が付加されコストアップとなる

  • 発行会社、加盟店管理会社が別の場合が多く、仕組が複雑でセキュリ ティー確保が困難

  • 利用時および月次処理費用が高いので、低額のコンテンツ決済には不向き

  • 加盟店にクレジット番号、キャッシュカード番号が残らないための仕組が複雑。

クレジットカード番号事前登録方式





ソネットショッピングiREGiHi-HOチェック、E-MYCASH、などの自社プロバイダー会員決済、
LIVUY(営業終了)、QQQカードシェアレジ会員サービス,紀ノ国屋、デルコンピューターなど大手モール
概要
  • 運営会社がクレジット加盟店として、バーチャルショップの利用時の処理を代行し、代金回収はクレジット会社が行う

  • 会員は、入会時保有するクレジットカードを登録する

長所
  • クレジット運営のノウハウ、システムがなくても開始出来る

  • モールで利用できるクレジットカード保有者は即時、全員会員になる事が出来る

短所
  • クレジット会社手数料に自社運営費が掛かるのでコスト高

  • クレジットオーソリゼーション費用、ご利用明細郵送費等リアルのクレジット関係費用が掛かるので低額コンテンツ不向き

  • 分割払いなどのクレジット会社の支払い方法を使えない部分がある

クレジットカード決済代行方式
(ゲートウェイ部分の代行)
ベリトランス(旧サイバーキャッシュ)ゼウス
特徴
  • クレジットカード番号、有効期限などの、ショップがインターネットで受付けた情報を、クレジットカード会社に伝えるゲートウェイ部分を代行する。(リアルのCAT端末にかわる機能)

長所
  • クレジットカード会社とショップ間でCAFIS等の接続をしないで済む。
  • 売上計上も、クレジットカードオーソリゼーションもインターネット上のデータ受け渡しで完了する。
  • 売上代金は、直接クレジットカード会社から入金されるので、比較的早い。

短所
  • 代行会社とショップ間の接続が必要。
  • クレジットカード会社とショップの契約が必要なので、ある程度の売上や、規模がないと難しい。(個人商店は不可)
  • クレジットカード会社との契約単価などに制約があるので、デジタルコンテンツなどは不可。
  • 代行会社の手数料がクレジットカード会社手数料以外に必要。

クレジットカード決済代行方式
(包括加盟店、包括代理加盟店方式)
決済.COM(2003.2.20以来休止中、再開目処立たず)
イーキャッシュ、 GMOペイメントゲートウェイ(ペイメントワンとカードコマースサービスが2005.2.2経営統合しました)、ゼロネットプロテクションズ楽天
特徴
  • 代行会社が、クレジットカード会社と契約して、ショップは代行会社との間で契約・接続を行う。
  • クレジットカード会社に対する売上・回収は、代行会社経由でなされる。

長所
  • クレジットカード会社直接の契約はできない個人商店や、デジタルコンテンツ、オークション代金といったクレジットカード決済ができる。
  • インターネットでの処理が簡単で、カード番号などの管理が不要になるので、安全性が高い。
  • ホームページではなく、紙ベースのカタログ注文や、オークション代金といった、決済のみの処理が可能。(決済.COM)

短所
  • 代行会社の審査基準があるので、全てのショップの決済ができることにはならない。
  • 代行会社からの代金回収は、クレジットカード会社直接の場合と較べ、遅くなる場合が多い。
  • 手数料は代行会社経費がプラスされるので、高くなる。

プリペイド方式
(狭義の電子マネー)



ネットーU(2003.3で営業終了)BItCashWebmoneyQQQ商品券、Millicen(2001.9で終了)
概要
  • 事前に、振込、クレジット、リアルの店等でネットワーク上のプリペイド金額をプールしておき、利用時その中から払ってゆく

長所
  • 申込すれば全員誰でも会員になり、手軽に利用できる

  • 低額の利用が簡単、匿名で出来る

短所
  • プリペイド金額をプールするために振込手数料等費用が掛かる

  • 高額のショッピングには不向き

回収代行方式





クリアポケット(クリアパス)、
てぽーれ(東京電力) (決済は2004年7月で終了)、
iMODEなど携帯のコンテンツ課金
概要
  • 注文、売上をインターネット上で完結させ、締め日単位で、金融機関から口座振替をする。

長所
  • 売上処理、回収処理に人手がかからない。

  • 現金化までの期間が比較的短い。

  • ディジタルコンテンツのダウンロード課金も、月次支払いなども可能。

短所
  • 口座振替用紙登録が必要なので、利用開始まで時間がかかる。(てぽーれではまだUFJだけだが、WEB上で即時口座振替手続きが完了する方式も始まっている)
    携帯電話の場合は、はじめに口座登録されているので、短所にならない。

  • 口座振替不能な代金の回収は、事業者が行なわなければならない。
    (クリアポケットは利用者にデポジットをさせることによって、支払いを保証している)

コンビニ支払い(ネットワーク型)



econtext(ローソン)
概要
  • コンビニの振り替え用紙を事業者から送付するのでなく、利用者のパソコンでプリントするか、コンビニ端末でプリントするかコンビニのレジで番号を伝える等で支払う。

長所
  • 事前振込みが可能。

  • 誰でも利用できる。

  • econtextは、レジでクレジットカード、デビットカード支払いも可能となる。

短所
  • 即時ダウンロード課金には不向き。

  • その場で決済が完了しない。

ショッピングクレジット方式



オリコセントラルファイナンス
概要
  • パソコン本体など高額品向け専用の分割払い(個品割賦方式)専用決済

  • 個々の商品購入に際し、分割払い希望者の申し込みをインターネットで受ける。

  • 契約書は紙ベースでショップまたは信販会社から利用者に郵送(往復)

長所
  • 信販会社は手数料収入を利用者から受け取るので、ショップは信販会社に手数料を払わない。

短所
  • 一件毎に審査が必要。入力項目が多い(審査に必要なため、クレジットカードの入会申し込み項目程度がある)

  • 契約書、口座振替依頼書が信販会社または加盟店から利用者に郵送で往復するので、販売できるまで時間がかかる。

3.インターネットも、既存通販も、ディジタルコンテンツも決済できるマルチペイメント(2002.11.15追加)

マルチペイメント方式


アロッズペイメントサービス(日通商事) 、ディジタルチェックイオンレジビリングシステム 、トランスファーネット 、iPCOSS(イプコス)
概要
●クレジットカード、代引き、銀行振込・コンビニ決済・郵便振替など複数の決済方式が、支払い手段として利用できる。
●ショップは、インターネット、電話、FAXなどで受付け、受注情報と購入者の指定した支払い手段を、決済サイトに入力する。
●ショップは決済会社の様式に従って、クレジットカード入力や、振込みの要求を購入者に伝えることができる。
長所
●ショップがアロッズ画面に確定入力するので、インターネットだけでなく、既存通販の決済にも使える。(アロッズの場合)
●インターネット通販の場合、クレジットカードなどの個人情報は、ショップでなく、決済サイトで購入者が入力することができるので、ショップの管理レベルは問われない。
●ショップは、販売承認、売上計上、売掛金管理、入金処理などバックヤードの処理が一本化され合理化できる。
●アロッズを利用した「ペリカン便e-決済サービス」では、配送完了状況が、購入者だけでなく、ショップへの支払い対象などに連動しているので、利用者にとって安全性が高い。
短所
●ペリカン便とのセットが前提なので、ディジタルコンテンツや、ペリカン便以外の宅配利用では、毎月の固定費(25,000円)がかかる。(アロッズの場合)
●決済加盟のために、初期費用、毎月の固定費がかかる。(ディジタルチェックの場合)