成功したら大きなビジネスにつながる社内ベンチャー! ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 社内ベンチャー成功ノウハウマガジン vol 1.3 2002/5/6 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 発行間隔が約1ヶ月となると月刊となりますが、このペースでは、いつ 終わるか見当もつかない状況です。 過去のマガジンは http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2.htm にて。 先日、スタンフォードのダッシャーさんと話で、日本の社内ベンチャー について話ました。 アメリカでは、社内ベンチャーって無くって、必要な事業は、 M&Aでベンチャー企業を取り込むとのこと。 子会社形式での社内ベンチャーもなく、その場合はアメリカでは、 ベンチャーに投資するという形になるだろうとも。 それでは、次々にベンチャーがなくなってしまうのでは、との取り越し苦労 については、雨後のたけのこのようにベンチャーがでてきて、M&Aなり、 投資対象にはことかかないと、これまた日本とは違う状況にあるよう な発言でした。 当日、あぐらをかいて居酒屋に居たメンバーの殆どが、社内ベンチャー を脱藩したか、村八分でしたので、ダーシャーさんの発言には、重みが あったようです。 たしかに、創刊号、2号での社内ベンチャーの目的(売上規模、利益に 貢献する目的)では、アメリカ的な方法論もなるほどという面がありま すが、今回のテーマについては、日本的社内ベンチャーの存在意義は 大きいのではと思っております。 ------------------------------------------------------ 1.3 既存事業とのシナジー効果を狙う場合 (1)全社的な活性化、経営者育成目的 どのような、会社でも、創業期はベンチャーだったといえますが、会社 も大きくなると、新しい事業を立ち上げる機会は減り、既存事業をどう 管理水準をあげるかとか、効率的な営業とか、目的がどうしても、直接 利益につながる動きになりがちです。 新しい展開という範囲も、既存事業内容の改良や、IT化、インターネット 対応といった、社会。経済変化に対応するための後追いの動きが主となります。 これは、会社経営上、利益を継続してあげ、更にそれを伸ばすために は中心に置かなければならない事項といえます。 人材としても、各々の部署の役割を果たす形になって、専門特化した 経営とならざるを得ず、全般を見ているのは、経営トップだけという形 になります。 大企業の経営者交代で最近良く聞くケースでは、不振子会社を立て 直したとか、海外に進出して、グローバル化を成し遂げたという方が 日米通じて後継者となることを耳にします。 全社的な活性化、ベンチャー精神の維持といった点からも、社内 ベンチャーの果たす役割は、研修費と考えれば大きな要素になる ともいえます。 ただ、このことを事業目的にするわけにもいかないところが、難しい ともいえます。 健全な、赤字事業が、全社に1割くらいないと全体が活性化しない と良く、言われますが、これは、経営トップの考えることであって、 新規事業の責任者は、あくまで、その事業をどう軌道にのせるかを 考えることになります。 ただ、この全社的考えを、事業に置き換えた場合には、その事業利益の 絶対水準が、全社的に寄与するという観点ではありません。 事業が軌道に乗った場合利益が出るという観点では、利益は 目的にするのですが、利益の絶対額で会社に寄与するのではないのです。 得てして、利益が上がったって、たいした金額じゃないじゃないか、 なんてことで、軌道にのってもいろいろな、ご意見をされる方が多いのが 実態でしょう。 このような、ご意見をおっしゃられる方が多くなっている会社ほど より、ベンチャー精神を向上させる必要があるともいえます。 また、新規事業の場合、例えば iMODEの場合のように、外部 から人材を招聘することや、外部との提携関係など、企業以外の 接点が多くなります。 成功した既存事業では、得てして井の中の蛙になりがちな集団 の中で、異文化を持った外部の人材との交流は、企業を変革する パワーとなる可能性が大きいといえます。 逆に、このような異文化の取り込みに抵抗ある企業では、新規事業 の成功はおぼつかないともいえます。 (2)企業イメージアップ 重厚長大の代表とも言える鉄鋼業における新日鉄などのソフトウェア 事業は、既存事業からの変革可能な社風を示唆しています。 学生の就職に際しての人気ランキングは、優秀な人材獲得の 機会が増えることにもつながります。 優秀な人材を生かすことは、また人気ランキングなどを通じた 形で、好循環の人材獲得も可能となります。 株価においても、人気は、その企業の経営指標から見た株価以上 の将来性といった点を織り込んだものになります。 株価が高いということは、社債の格付けや、時価転換社債の 転換価格などを通じて、安い資金調達に繋がったりという形で、 これも、業績への好循環をもたらします。 これは、社内ベンチャー事業自体が、採算軌道にのっていく ことが前提となりますが、社内ベンチャー事業の利益とは較べ ものにならない大きな利益を会社全体にもたらすことになります。 (3)既存事業の集客や、売上増加につながる場合 新規事業で新しい顧客層を取り込める場合、新規事業での顧客 開拓費用が、新規事業の収益では賄えないが、獲得した顧客への 新規事業のサービス内容が好評であれば、既存事業の集客など を通して既存事業の新しい顧客層になる可能性があります。 通信販売会社がインターネット取り組みをすることで、今まで 主婦層中心だった顧客に、男性顧客が加わるようなケースや、 地方信販会社が、インターネットでのモール展開などで、全国 的に会員を募ることができるようなケースでは、今までのような 展開ではなく、地域に限定されない加盟店獲得とともに全国 に拡がる会員に、ネットバンキングや、ATM提携でキャッシング を提供するような、新しい顧客層を既存事業で収益につなげる ことが可能となります。 この場合、インターネットのモール利用だけでは、採算が 合わないのですが、既存事業の顧客とすれば、社内ベンチャー の採算計算は、違う形になります。 ただ、新規事業の集客が少ないような、新規事業自体の人気がない 場合には、もちろん既存事業につながることにはなりません。 ------------------------------------------------------ ●マガジン登録・削除ご希望の方は http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2.htm にてメールアドレスのみ指定して行えます。 ●本メルマガは、第3者への修正を加えない転送は自由です。 また、原文のままの引用も自由です。 ------------------------------------------------------ 発行 かがみ事務所 代表 鏡味 義房 かがみホームページ http://myweb.to/kagami |