ICカード実用化に近づく |
ICカードについては、過去に、クレジットカードの偽造防止などを主目的としたクレジットカード会社による試みや、電子マネー実験としてのモンデックスなど各種の試みがされて来ているが、ICカードに貨幣価値をチャージするためのインフラ(ATMやインターネット、店頭など)、ICカードを使う店などの事業者端末、端末で利用者から店へ移転した貨幣価値の清算機構、ICカード製作、配布費用など、今まで多額の先行投資がかかる割に利用者・事業者メリットを打ち出しにくく、投資や運営金額を誰が負担するかという実用化の最大の問題で頓挫している状況にあった。
多額の先行投資に見合う利用メリットを提供する場が多くなければ、利用も促進されないので、一つの方式を複数(多数)の事業者が共通で使えるディファクトスタンダードにどの方式がなるかがポイントとなろう。一企業単独でICカードの発行・普及をはかることは困難だからである。
このような、ICカードにあって、ソニーが開発したICカードFeliCa(フェリカ)がどうやら実用化の本命になってきた。
フェリカは、JR東日本のスイカやJR西日本のイコカといったJRのプリペイドカード、Edyという名称でam/pm店頭などで使える電子マネー、クレジットカードと一体になったソニーファイナンスのeLIOなどに使われてきたが、ICカードそのものでなく、ICカードの機能を携帯電話に組み込むことをNTTドコモと始めるなど、多数の企業が同じ規格を採用して実用化をすすめ始めた。
このような状勢下で、それに抗して、違う規格を推進しようという動きも、NTTコミュニケーションズをはじめとして有るのだが、私個人的意見としては多勢に無勢と言えよう。
その規格の技術的有利さが細部ではあったとしても、ディファクトスタンダードの動きには抗えないとも言える。
まだ、携帯組み込み型が、どのような使い方で普及するかなど課題はあるものの、携帯各社も同じフェリカの規格を採用することになれば、今年は、ICカード実用化に向けて大きく前進する年になるだろう。
私も、Edyが付いた、eLIOカードを使ってみているが、これがそのままスイカとしても使えるとすごく便利になるので、「使って見てみよう」から、「使いたくなる」ICカードになるだろう。