NTTドコモの「DCMX」がディジタルコンテンツ決済を制する日
NTTドコモは4日、4月下旬から独自のクレジットカードの発行を始め、携帯電話を使った決済事業を強化すると発表した。ドコモはすでに三井住友カードなどと組み、既存のカード会員向けに携帯クレジットサービスを提供しているが、自らカード事業を手掛けることで、携帯クレジットの普及を加速する。手数料収入が見込めるほか、少額決済市場の開拓をねらう。
(日本経済新聞
2006/4/5)
NTTドコモ自体がサービス提供事業者となるクレジットカードサービスで、ブランド名は「DCMX」で、「DCMX mini」(2006年4月28日より)、「DCMX」(2006年5月下旬受付開始予定)、「DCMX
GOLD」(サービス開始時期未定)の3つのサービスを提供するとのことです。
このなかで最も注目なのは、「DCMX mini」なのです。申し込みや利用料金支払いの簡単さ、申込対象者(小学生を除く12歳以上)などを考えると、少額課金の本命方式になるでしょう。
何故少額決済の本命に成り得るかというと、通信キャリアは、通話料を口座振替にて徴収している有利さを活かせるからなのです。
例えば、月2000円ディジタルコンテンツを利用した人の決済を考えてみましょう。
今までのクレジットカードでは、2000円とはいえ、請求書を発行して、届け出た口座から振替をします。
請求書発行費用が、印刷、郵送代で200円かかったとします。ただしこれはWEBなり電子メールで置き換えることもできるので、NTTドコモだけの有利さにはならないのです。クレジットカード会社の電子化が遅れているだけなのです。
一番有利なことは、口座振替費用が追加で必要ないことなのです。
口座振替費用は、直接銀行や郵貯と行なっても、1件の振り替えに25円といった金額が必要なのです。
しかしながら、通信キャリアは、既に通信費を口座振替をしているのです。
したがって、クレジット使用分(上の例で2000円)の口座振替手数料は、不要なのです。
これを、通信キャリアではないクレジットでやろうとすると、一番安いとする25円としても、2000円に対して1.25%となります。
口座振替手数料は一般的決済代行経由では、100円近い金額となり上の例ではこれだけで5%となりますね。
クレジットカード方式の少額決済では、この口座振替手数料が最大のネックとも言えます。
また、この口座振替手数料は、公共料金は、安く設定されていますので、通信キャリアはその点で元々有利だったのですね。
これを利用してNTTドコモがはじめた、コンテンツ課金は、ドコモのiModeを普及させるのに大きな武器になったのです。
この武器を再び、少額クレジット課金という形で登場させただけなのですね。今までのオフィシャルサイト課金も代金回収のリスクをどこが引き受けるかということはあっても、後払い月次決済(口座振替)というクレジットだったのです。