成功したら大きなビジネスにつながる社内ベンチャー! 
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    社内ベンチャー成功ノウハウマガジン vol.16
     -本業集中化で社内ベンチャーに逆風-    
                        2004/4/2
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 3月30日発表されたばかりの「速報」にしては、統計が古いのだが、
経済産業省の2002年度の製造企業の本業売上高は、5年間で 4.9ポ
イント上昇して、81.9%となったとのこと。
 この統計では、本業関連の卸、運送などは、本業ではないので、実質
的な新しい事業の売上比率は不明ではあるが、趨勢的に、本業の比率
が高まっていることは間違いないといえる。

 この原因は雑駁に、景気回復が遅れる中、本業に集中して競争力を
つけることと、日経新聞では書いているが、本当にそうなのだろうか。

 確かに、本業に集中すると、短期的な「経営指標」は良化することは
多いだろう。しかし、これで、「競争力」がつくかは、疑問のあるところ
である。

 なぜならば、競争力の基本は、企業の活性度とも言えるからである。
 健全な、新規事業が1割くらい常にあって、既存事業ではなかなか得
られない、活気を全社に伝播する。といった、一つの社内ベンチャーの
役割が、本業の競争力にも繋がることが多いとも言える。

 それでは、何故、本業回帰傾向にあるのだろうか。

 高度経済成長時代に伸びた企業は、信長型の集団が多かったとも言
える。
 それが、低成長時代では、家康型の守りの仕組みに達者な経営層が
求められているという時代背景が根本にあるという風に解釈すると、
今日では本業に集中して、既存売上・利益水準を維持することにつな
がると思料する。

 このような、動きの中では、社内ベンチャーは、投入する人や資金が、
売上・利益増加に直結し難いところから、その事業評価、事業の見直し
も短期的にならざるを得ないことになろう。

 シャープのように、本業の中でも、液晶に集中することによって好業
績を上げ続けることに繋がるようなケースを見ても、大阪万博の時に将
来は液晶だとして集中して行った時には、社内新規事業(製品)だった
と言えよう。
 液晶という、新しい製品に特化するという、経営陣の先見の明と、経
営資源の集中という前に、液晶開発という社内ベンチャーがあったから、
なし得た経営戦略だったといえる。
 
 一律に、本業に集中すると得てして守りになることが、中期・長期的
には、衰退になるという、日本の今後に一抹の危惧を抱くのは、考え過
ぎだろうか。

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