のんびりやろうよ人生を! ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 中高年になったら自営業! vol.3 2003/6/13 -会社勤めでもできる自営業- (会社側都合編) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 前回のメルマガでも触れた、勤め人ながら自営業ができるという ことをいろいろな人と飲みながら話すと、びっくりされ、感謝される。 その割に、誰もやろうとしない。「なんでだろう」。 元々、日本の会社は、終身雇用で、一生1つの会社に勤め、 なおかつ、その人の生活を会社が保証するという関係にあった。 「あった」という書き方をしたのは、深く静かに、時代が変わっている ことを分かり難く、いじわるに言っている。 今でも、会社=人生として、そのままの関係を続けていられる人は、 よほど業績も良い恵まれた会社に居るか、飛行機が頭上10Mまで 落ちて来ているのに「いい天気ですねー」なんて言っているかどちらか なのだ。 会社が人生保証できる時代だからこそ、就業規則に「併業の禁止」 (「重業」といったりもするがここでは、併業に統一しておく)という項目 があった。「会社の給料だけで、生活困らないようにしてやっているの に、他で働くことは許さん」という、お代官さまの一言がそうさせていた のです。 ところが、最近、「給料半分っこして、2人で今まで1人でやっていた 仕事やってもらえないだろうか」と、ワークシェアリングなどという 横文字にしてそれらしくしているが、要するに給料半分しか出せない ので、人生の半分だけしか保証できない、という公約違反が続出して きており、代議士の立場を弱体化させる不穏な動きとなっている。 併業ができないという理由として考えられている就業規則はどう なっているのだろうか。 労務安全情報センターの就業規則雛型例の服務規律では、 「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」とある。 ここでは会社「等」という表現が使われているが、「等」 と同じような表現で「準ずる」、「類似する」、「近似する」、 「など」とか、前に付けると「ほぼ」、「約」等々が、 「ああ言えばジョウユウ」さんのために用意された、リスク マネージメント用語集に載っている。 「等」は、ある種類を分類する用語としても使われるので、 かなり上級用語として位置付けられる。 「上等」「下等」「一等」「二等」「三等」等々のような、 良いか悪いかは別としてクラス分けをしたものである。今では、 グリーン車とか、ビジネスクラス、ファーストクラスなどと 別の言い方をしているが、私などは、3等車に乗ると、何故か 必ず、子供にみかんを食べさせているおばさんがいて、子供に 笑いかけると、「どうぞ」とみかんがいつでも食べられたもの である。当時「三等重役」という、庶民の味方・仲間の重役が 東宝映画に出現して、それまでのお高い一等重役にない人間的 魅力のある様子も現すのである。私は、下等重役だったが。 このような、高度な用語を駆使して規則を作る人にとっては、 どうとでも解釈できる規則にしておくことで、何か問題になったら、 「それは、このような解釈で、規則に織り込んであり抵触します」 なんて、ジョウユウさんになれるのであるが、気の弱い人事担当は、 「許可して下さい」といわれても、「等」に該当するかどうかで 悩むことになる。 そこで、このメルマガを購読しているような気のやさしい 中高年者は、人事担当を悩ませないように、黙って、許可を得 ないでやろうかといういうことになり、闇天で満貫となったり するのである。 しかしながら、リスク管理のベテランであるこのメルマガを読んでいない 一般的常識が溢れ返っている企業人は、善意の解釈ではなく、考えられる 一番悪い解釈をする修業をさせられてきている。 もし、後で、人事担当者が、知ることになると、かわいそうにもっと悩む のではないかと慮ることで、併業に踏み出せないでいる。 しかしながら、近い時点で、各社規則変更を余儀なくされるか、骨抜きに なるのは、目に見えている。 最近、会社内だけでなく、どこでも通用するように、自己研さんを推奨して、 社内研修などで、「本人のためになることを後押ししている」とか、2年間の 間に将来独立なり起業できる準備ができるような、「セカンドライフプラン」 などの制度を作るという会社が増えているが、これは、会社としての免罪符 に他ならない。 人生保証なしで、会社に忠誠を誓うなんて、そうそう詐欺師に騙される人 ばかりではないからである。 このメルマガを読まない人は、不幸にもこの時になってはじめて、「おれ、 今の会社以外で仕事できるかどうかなー」と思い始めるが、既に走り始めた 列車に飛び乗り損ね、呆然とホームに立ち尽くす、悲しい分かれの情景 を演技する人になる。 今から、会社に頼らないで、自分の領域を持とうということを、少なく とも検討をはじめるのが、有事関連自己防衛機能となる。 ---------------------------------------------------- ●マガジン登録・削除、バックナンバーご覧になりたい方は http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2-2.htm にてメールアドレスのみで行えます。 ●本メルマガは、第3者への転送は大歓迎です。 また、原文のままの引用も、大歓迎かつ好き放題です。 ------------------------------------------------------ 発行 かがみ事務所 代表 鏡味 義房 かがみホームページ http://myweb.to/kagami 真面目なノウハウ集「社内ベンチャー成功ノウハウ集」は http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2.htm |