のんびりやろうよ人生を! ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 中高年になったら自営業! vol.4 2003/6/24 -会社勤めでもできる自営業- (税務署編) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ このメルマガは、税金や年金の制度や実務にも、わずかな 経験にも拘らず、わけわからずに書こうとしているのです。 そこで、今後のメルマガは、税理士・AFP(ファイナンシャル プランナー)として著書も多く上梓している、青木茂人さんに 「監修」をお願いしました。 そうはいっても、「三才の子供の言ったことを親が責任持て」 みたいなことは、かわいい子供の親である青木さんとしては、 我が子だけでも手に余るという惨状でありますので、私の勝手 な解釈や、話しの飛躍など、文章内容まで責任を持ってもらう 訳にはいきません。制度・用語(これも私の意地で正式用語を 嫌う癖があって困ったものですが)など、チェックをお願いし ております。 さてさて、ようやく、今回の本題に入ります。 会社勤めの人は、税務署に申告に行ったことがないのが普通。 せいぜい、家をローンで買ったので、住宅取得控除をするとか、 遺産相続で引き継いだ貸家収入をどうするかといったことで、 申告をするのは、全く勝手が違う世界のような感じがある。 日本では、普通、会社が個人の申告を代行している。 グローバルスタンダードなどという、実は米国スタンダード などでは、個人でも税務申告をするということからすると、 日本の場合は、国際的には例外的な、過保護なやり方といえる。 間違っても、外国の人に「おれは、税務申告してない」なんて 国家機密を言ってはならない。「フーン、税金払うだけの収入が ないんだ」と見なされて、憐れみの眼差しで見られることになる。 日本以外では、家計簿ソフトが売れている理由もこの辺にある。 日本人も全員税務申告をするようになれば、家計簿ソフトメーカー の株が高騰するだろう。 一般的に税務署は、何とか税金を取ろうとして、脱税に目を光らす 「マルサ」のイメージがあるが、大口納税者を見逃す訳にはいかない というのは事実としても、かわいい収入の自営業には、親切に適切な 税金の収め方をアドバイスしてくれる強い味方とも言える。 勿論、脱税のやり方を手取り足取り教えてくれるというようなこと を期待している人はいないだろうが、複雑な税制で、特別減税や、 時限立法など、素人にとって「いけずしているの」と言いたくなる くらい分かりにくい税金取りたて法なので、専門家のアドバイスが 貴重だ。 ここからは、私の体験から考えた、都合良い解釈が続くので、 知り合いに税理士が居たら「半分位うそっぽい」なんてきっと 言われるだろうが、「信じる者は救われる」来世を信じる宗教 として、教祖様が書いていると勘違いした謙虚な読み方を強要 する。 税制が複雑で、税務署の担当や、税理士でも見解がワレルこと が多いから、税理士という職業が成り立っているのかも知れない。 税務署は個人には親切と言ったが、突っ込んで内容をチェック してもたかが知れているということであって、知り合いの税理士 に頼む方が、親身になってチェックして貰えるだろう。 銀行がリテイルとかいって、個人相手に力を入れると掛け声 をかけても、実際の営業になると小口で手間がかかるので、つい 「じゃーこしー」といった感じの応対になってしまうのと一緒か もしれない。 税務署も、確定申告時期には、職員だけでは対応しきれないの で、職員みたいな顔をした税理士にアウトソーシングしていると いう噂を聞いたことがあるが、定常業務を職員で、溢れる業務は、 臨時職員なり、人材派遣でまかなうというご時世なので、お役所 もその辺は、合理化して当然だろう。 前段が長すぎ、今回のテーマは「わやや」になっている。 給与所得については、毎年12月に年末調整を会社がしてくれる。 ただ、2000万円を超える給与収入がある、恵まれた、 税務署にとって上客でもある一部の人は、税務署もご挨拶した いので、確定申告をすることになるが、大体そのような人は、 廻りに分かったマネージャーというか秘書とかが付いていて、 殆ど内容は知らないで、ただ、税務署へ書類を運ぶメッセンジャー となっているか、税理士に頼むことになる。 2000万円を超える収入がある人は、給与所得以外の収入も あることが多いので、どうしても税理士なり、税務に詳しい人に やっかいになるという手のかかる子供達なのである。 税務署が「事業」と見る基準は何なのだろうか、ここだけの 話し、本当は基準なぞ無いのだが、内輪の事情もあって、一見 有りそうに見せている。 まず、「給与所得以外の収入が年間20万円を超える人は、 確定申告をしなければならない」ということから、年間で20 万円も稼げない人は「事業者」とは認めないように思うだろうが、 実は手間(経費)と収入から考えた税務署採算ラインが20万円位 なので、いかにも20万円以下の人は確定申告しないように決まっ ているかのように振舞っているけなげな税務署論理が一般の誤解 を生んでいるのである。 20万円以下の収入では、「不景気で儲かりまへん」「まだ、事業 が軌道にのらないので何とかして」「経費ばっかしで赤字でんがな」 「首吊りするか夜逃げするかどっちにしたらいいかな」というよう な、税務署としては、申告をして欲しくない、赤字事業者が多数 を占めていると想定されるからである。このような人は、税務署に とっては「歓迎されざる人」なのです。 勤めながら事業申告するメリットがあって、税金が戻って来る 可能性が大きいのは、実は「税務申告に来ないでもよろしい」 とやさしく税務署がおっしゃる年間事業所得20万円以下の人 達なのである。遠慮しないで、「事業やってます」と堂々と税務署 に行こうではありませんか。 きっと、「赤字だから事業なんかやめちゃったら」とか、「儲か らない事業ようやってるね」というような、責める言葉は心に秘め て、「ご苦労さんですね」「大変ですね」というねぎらいの言葉を 掛ける心やさしい気遣いの税務署員に会うことができるに違いない。 もし、責められる言葉を投げかけられたら、めったにないことが あったと考え、宝くじでも買ったら、100円位めでたく当たるか も知れない。 私がはじめてアメリカに行った時、アトランタ空港で、英語で 「何しに来た」とか聞かれて「アブアブ・・」と訳の分からない 言葉で仕事の説明をしていたら、「おまえはすごく運がいいぞ、 めったに荷物なんか見てやらないのに」なんて、鼻歌まじりに 言われたのが、今でも良い思い出と反省になっている。 勤めながら出来て、一番多い事業者としては「不動産賃貸業」 があげられる。 例えば、「持ち家をようやくローン付きで買ったら、とたんに 転勤命令が出て、1ヶ月も新居に住んでない。会社も人でなしだ よね」なんていう人は、転勤先で社宅に住んで、新居を、会社の 借り上げ社宅か不動産屋経由で賃貸に出すということになり、 ここで、「不動産賃貸業」がはじまることになる。 この場合、毎年2月16日から3月15日の間に、前の年の、 収入(家賃収入)、賃貸するために修繕した費用だけでなく、 ローンの金利、マンションなら管理費などの支払い、不動産 の減価償却費や、不動産屋さんとの連絡の通信費など、実際に、 「不動産賃貸業」として必要な経費の明細を添付した申告用紙 を提出することになる。 なかなか賃貸が決まらないで、連絡など一生懸命にやっている ので、経費の方が多いという場合でも「不動産事業」なのである。 この場合は、前年の12月に年末調整で確定していた源泉され た税金が、事業が赤字なので、その分、合計した所得が減ったこと になって、戻ってくることになる。 「不動産所得」は、不動産以外の「事業所得」と別に計算され ることになるので、「給与所得」「不動産所得」「事業所得」など 各々の収支が計算され、確定申告ができることになる。 あちこちの会員登録の「趣味」の欄に「税務申告」なんて項目 ができたら、何種類も複雑な所得が計算できる税務申告(ゲーム) は、クロスワードパズルを超える人気になるかもしれない。 給与所得については、会社で税金を納めてくれるが、「不動 産所得」「事業所得」は、会社とは関係なく、個人として、税金を 納めるか、個人口座宛に税務署から還付金が戻るかということになる。 会社は「あっしには関係ないことでござんす」となり、個人事業 でどのくらい儲かっているか損しているか、個人事業をやってい ることすらかかわらない。(もっとも、個人事業で長者番付に載る ような、税務署にとって、大事なお客様は公になって分かるが) 地方税は、毎年6月に明細が入って前年分の「給与所得 に対する地方税」が給与から天引きされるが、「事業所得」 や「不動産所得」に対する地方税は、本人自宅宛に、納付書 とともに送られてくるので、会社はここでも「あっしには関係な いことでござんす」という紋次郎を決め込むことになる。 (自分で税務署に申し出て、会社で一括して天引きさせることも できるが、うれしいことに将来事業部分の収入が多くなったり、 悲しいことに給料がワークシェアリングなどという、一方的会社 事情で減ったりして、地方税が給料より多くなると、給料から 天引きできず、会社から「足りないからお金持ってきてチョーダイ」 という暗い給料日になるので、得策ではない) 税務署は、いろいろな事業に対して、その事業実態に即した 経費かどうかをチェックすることになる。 したがって、税務署で「何の事業ですか」というやさしい問い かけに答える事業名は、本当に自分のやっている事業を的確 に、かつ一言で表現できなければならない。 めずらしくまじめに文章に取っ組んでしまったら長くなって しまいました、次回は、「自営業の青・白色申告って何」を はじめとしたお役立ち集にきっと出来ると思っているが、時々、 くるくるパッパになる、気分屋のメルマガにつきお楽しみに。 ---------------------------------------------------- ●マガジン登録・削除、バックナンバーご覧になりたい方は http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2-2.htm にてメールアドレスのみで行えます。 ●本メルマガは、第3者への転送は大歓迎です。 また、原文のままの引用も、大歓迎かつ好き放題です。 ------------------------------------------------------ 発行 かがみ事務所 代表 鏡味 義房 かがみホームページ http://myweb.to/kagami 真面目なノウハウ集「社内ベンチャー成功ノウハウ集」は http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2.htm |