のんびりやろうよ人生を!
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    中高年になったら自営業!  vol.6 2003/7/11
      -付き合える人と付き合えない人-      
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 自営業として独立してみると、それまでは普通に公私の区別
なしに付き合っていた人達が、大きく2つのグループに分かれ
てくる。

 1つ目のグループは、漠然か確信犯かは別として、サラリー
マン社会が崩壊するか、大きく変わって行くかもしれないという
予感または予知能力を持ったグループである。
 このメルマガ読者の殆どがこのグループではないかと、勝手に
決め打って「読者組」としよう。
 
 読者組は、今までの会社慣習や、世間体といった枠にとらわ
れず、「これからの日本の雇用関係は、会社と対等に契約して
ゆくようになるに違いない」「ユビキタスは、就業形態を変え
るぞ」「SOHOはニューヨークの地名じゃないぞ」といった
高邁な議論を、小市民安らぎの場である居酒屋などでがなりたて、
ひんしゅくを買ったりするが、会社では、昔からの慣習に忠実で、
昼間はおとなしい人達なのである。

 読者組の知人は、私が事務所を構えるなり次々やってきては、
「この事務所は何ヘーベー?」「コピー機はいくらくらいしたの?」
「インターネット接続はADSL?」「仕事のやりかた、顧問
契約の様式は?」「台所使って給食?」とか、多岐に亘る質問
を投げかける「無着成恭の子供相談室」育ちなのである。
 このメルマガは、さしずめ「無着成恭の大人相談室」の
FAQとしての位置にあたるかも知れない。

 対極にあるのが「会社命(いのち)組」である。
 会社命組は、会社という枠からはみ出したことは考えない
組であって、仕事は、会社という組織しかできないと思い込
んでいる人達なのだ。
 
 私が、自営業をはじめたら、「自営業なんていう信用でき
ない立場では話しもできない」「会社でなきゃダメダメダメ、
それも有限会社ではだめ、株式会社でなくちゃ」「おれだって、
株式会社にしている。今は勤めが忙しくて、休眠状態だけど、
社長って信用がある」といった、一人で独立するにしても、
勤めながらやるにしても、「社長」でなければクラブにも行け
ないし、故郷に錦も飾れない人達がいたのである。

 将来大きくして上場しようとか、大きな先行投資が要る
ようなビジネスを始めるには、「会社」が必要となる。
 この場合は新規のベンチャー企業か、社内ベンチャー
(子会社含む)ということになるので、もう一つのメルマガ
「社内ベンチャー成功ノウハウ集」などで、うまくできる
ように陰ながら祈っている。

 ここで言いたいのは、今まで会社帰属で蓄積したノウハウ
を活かしてささやかに商売をするといった場合につくる会社は、
目的など曖昧なことが多いということを言いたいのであって、
会社設立を否定している訳ではないので、誤解されませんよう。

 会社設立お呼ばれで、素直な私は「なんで会社作ったの?」
なんて素朴な疑問を投げかけてしまうと、殆どが、将来上場
などという回答が返ってくる。更に「上場って何の目的で
するの?」なんぞといういじわるな質問は、気の使い過ぎ
とは思うが、しないことに決めて、「そう、上場できた
らお祝いしましょうね」といった、立場をわきまえた発言
でお茶を濁すことになるのである。

 果たして、会社って、そんなに信用できるのだろうか。

 自営業は、公私混同とも言われるが、「無限責任」で
ある。事業で借金したり、つけ払いが滞ったら、個人破産
しない限り免責にならないのである。

 これに対して、公私の区別をはっきりさせた、ちゃんと
した会社は「有限責任」なのである。出資金の範囲でしか
リスクを負わないのである。

 これが分かった取引先は、売買契約書に、会社の社長だけ
でなく、同じ人なのに、個人名を併記しておくことで、
「個人保証」という切っても切れない関係を結ぶのである。

 これに対抗する物事の道理をわきまえた社長は、個人保証
だけはしないのである。会社の支払いでも、手形や小切手を
発行しないという一見余裕の資金繰りを装う信用力絶倫な
カリスマ社長となる。

 本当に資金繰りが良くて、手形を発行しないという哲学
を持った松下電器産業や、トヨタのような会社もある。
 一方、手形を発行しないという中には、手形発行をさ
せて貰えないといった他力もあるし、手形を出さなけ
れば、「不渡り」を出して倒産することはない、という
知恵と度胸の社長哲学を持った人も居る。

 銀行に「借入金の返済を迫るなら会社をつぶしちゃう
から」と、しらっと言って、銀行にこわ持ての人や、
もう一つ持っている会社が儲かっても、ついに借入金を
返さないでいるツワモノなど世の中にゴマンやジュウマン
はいると噂される。

 それでもなお、会社命組は自営業を遊び人と見る。

 それは、会社という、比較的温厚な耐える人種同士
の村社会という安心感・連帯感があるからではないか
と思ったりもするが、会社命組は、部長とか、お代官
さまや検校といった連帯感は期待できない役割の人が
結構多いのではある。

 会社命組は、「会社」という違和感のない、今まで
の経験の延長で話せる村で暮らす人達なので、平穏な
村に、例えば、オールアバウトな、父かMYマザーか
判別できないような人が来たら、「オーマイゴッド」
と叫ぶのである。

 今回のメルマガって「いったい何が言いたいか分か
らない」という読者も居られるかも分かりませんが、
最近の映画のラストシーンのように、分からなくて
当然と開き直って終わる。

 次回は、平穏な村に居続けるのが前提で作られた
厚生年金など、年金面で自営業はどうなの、という
ことを簡単にまとめようと思いつつ書けておりません。

 「何だ、このメルマガは中継ぎか」とおっしゃる
賢明な方も、続けて購読頂ければ幸いです。
 
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