のんびりやろうよ人生を!
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    中高年になったら自営業!vol.7 2003/7/24
       -年金編-1 心配してどうなる-     
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 年金制度は、厚生年金、国民年金、公務員等共済など各種の
年金があって、共通する部分と、各々の年金制度で異なる年金
制度を、ぐちょぐちょに一本化したりしているので、どのよう
なケースは、どうしたらちゃんと年金が貰えるかなどと、一概
に言えない難しい制度になっている。
 この難しさが、年金に関係する、相当に詳しい人以外は全く
理解できないで、無関心を装う制度にしてしまっている。

 社会保険事務所の保険相談に行っても、ちょっと込み入った
疑問を投げかけると、相談員が悩んでダンテの彫刻になってし
まうのである。

 この、分かりにくい制度を本メルマガで分かり易く書こうと
意気込んではいるのですが、どうもぐしゃぐしゃになりそうな
くらい、過去の経緯を長く引きずった、複雑怪奇なお化け屋敷
になっていて、突然目の前に新しい「特別制度」や、「改訂」
という妖怪が出現して驚くのだが、びっくりして、抱きつく
と痴漢と間違われることになる。

 生命保険でも、契約者にお約束した予定利率での運用が難し
く、保険料や、保険金が変わるということでの保険業法改訂が
新聞紙面をにぎわせているが、年金改訂はその複雑さと、年金
の保険料を払っている人に約束をしていないことから、いつ
変更になったか、さっぱり分からないようになっている。
 責任の所在をオブラートより見えにくくする、素晴らしく
出来の良い官僚文章なのだ。

 砒素など使って生命保険で稼ごうという人は別として、
一般的には、生命保険と比べても、支払う年金保険料が
圧倒的に多いにもかかわらず、虫眼鏡でないと読めないような
細かい字で書かれ、目の筋肉を訓練する役割を担う「約款」
がないのである。

 年金の支払いと受取りの関係は、「年金は、自分が払った
金額を元にした生命保険のような性格のものなのか、現役
(払う側)がその年の受給者(貰う側)分を負担するのかと
いう議論が闇に包まれたカラスのようになっている」
と識者は言うだけで、分配問題については、かならず損をす
る人が出るとかで、自分の見解を良識ある人が発言すること
はタブーになっている。

 それでも、これまでは、支給を受ける人が少なかったので、
厚生年金施設などを作っても、お金は余っていたのだが、少子
化で、年金を払う人に対して、年金受給者の比率がどんどん上
がっているという、年齢構成の変化は年金制度を変えざるを得
ない一番目の理由となっている。

 二番目の理由は、運用益が出ないどころか赤字なことである。
 2003.7.23の下記日経新聞記事にあるように生命保険
も運用が予定通りいかないが、それ以上に運用のへたな年金は
赤字がもっと深刻になっている。
 「公的年金(厚生年金と国民年金)の資金運用が一段と悪化
している。積立金の一部を債券や株式などで運用している年金
資金運用基金が23日発表した2002年度の運用結果は、株価下落
の影響で3兆608億円の赤字と3年連続の大幅赤字となった。
 過去の赤字を加えた累積損失は6兆717億円で前年度末から
ほぼ倍増、将来の年金給付に備える積立金の目減りが深刻さを増
している。」

 なぜ、生命保険より深刻なのだろうか。生命保険は運用が赤字
でも「予定死亡率」「予定事業費」に対して、長寿命化や、事務
合理化など運用の赤字を補って余りある要素があるからである。
 これに対して、年金を受取っている人の平均余命が延びると
年金は支払い額がどんどん膨らむというのが、三番目の理由である。

 生命保険は、死亡率が下がれば、保険金支払いが減るが、
年金は生きている限り支給が続くという性格上、予定した寿命が
延びれば延びるほど赤字になるのである。
 そうは言っても、平均寿命の延びを止めることは、神様でも
出来そうにない。
 もっとも、生命保険の予定死亡率もそうなのだが、計算に使わ
れる死亡率や、生存率といった数字は、何の根拠(過去の実績
をそのまま使っているのでは明らかに差が出るが、推計方法も
難しいので、根拠といってもフニャフニャではないかと推定する)
も明らかにされていない。当局のみが知っている極秘事項になっ
ているので、年金を払っている人対して、リーチの宣言もなく、
いきなりヤミテンで改訂されることになる。

 
 過去の年金の変遷、これから年金はどうなるだろうかといった
ことは、分かりやすい解説を含めて、社会保険労務士・
ファイナンシャルプランナーの菅野美和子さんの
「知っておきたい年金のはなし」
http://homepage2.nifty.com/miming2/magazin-top.html
がすごく参考になるので、お読みになることをお奨めしますが、
お奨めできない人も、こんなこと言っています。

塩川財務相が2003年7月19日、愛知県吉良町での講演で、
現行の年金制度について「現役時代の収入の約60%を保障する
現在の制度では、今後ものすごい額を税で埋める必要が出てくる」
と述べ、年金制度の抜本的な見直しの必要性を改めて強調した。
 塩川氏は「現在、高い年金を得ている人の中には利子配当や
不動産などで高額の収入がある人が多い。金持ちには年金を
ちょっと遠慮してもらう考え方もある」と述べ、基礎年金で
標準的な生活費用を保証する制度に移行することを求めた。

 このように、先行き年金はどうなるか分からない状況ながら、
既に年金に長期に亘って加入している人にとっては、将来どう
なるか不安でも、今まで払った分を捨ててまで開き直って
「さー、槍でも鉄砲でも勝手にさらせ」と言いたいが、
「それを言っちゃあ おしまいよ」となってしまうもどか
しさが充満している。

 私も7月22日に、年金給付の申請(何故か裁定請求という
お代官さまのお裁きみたいな用語だが)を済ませた。窓口の
相談員を悩ませたり、会社と2ヶ所の社会保険事務所が、
整合性のないデータを各々正しいと主張されたりして、めず
らしく泣き寝入りしながら済ませたので、体験談を織り交ぜ
ながら、次回から、過去も将来も議論しないで、現状の年金
の説明を何回かに分けて淡々としようと思います。

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