のんびりやろうよ人生を!
   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
    中高年になったら自営業!  vol.9 2003/8/13
      - 年金編-3 国民年金を貰う -   
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 今回は、各制度共通の「(老齢)基礎年金」についてです。
 定額支給制度の国民年金である「(老齢)基礎年金」は、
給与の多寡や、どの年金制度に加入していたかには関係なく、
掛金を支払った期間だけで支給額が決まり、65才から支払
われる年金を言う。

 「基礎」年金と言っているのは、基礎のない家は、宇宙ステー
ション以外建たないのと同じく、この基礎年金を貰える資格が
ない人は、これに加えて厚生年金とか共済年金を貰おうとしても、
「宇宙遊泳中の人には支給できません」となるのである。

 また、ここで(老齢)としたのは、まだまだ若いと思ってい
る人に配慮したのであるが、お代官さまは、老齢、老齢と書類
でも言葉でも連呼して、「もう年金貰える年寄り」になった
「事実」を自覚させるのである。

 25年間年金保険料をかけたら、45才でも「若齢」基礎年金
とかが支給されるというなら、区別するために「老齢」とつける
意味はあるだろう。
 65才にならないと出ないものに、敢えて「老齢」とつける
意図は何なのだろうか。「おれは年寄りではない」と頑固に
否定し続ける人は、きっと意地でも「老齢」年金を貰わない
はずなので、年金会計が助かるという深謀遠慮なのだろう。

 厚生年金や共済年金にわずかな期間でも加入していた人で、
男性は昭和24年4月1日以前、男女雇用均等法など権利は
同等になったにも拘らず、何故かこれは均等でないのだが、
女性は昭和29年4月1日以前の人は、65才以前にも貰える
年金があるので、60才になったら早めに社会保険事務所で、
以前説明した「裁定請求」をしたり、いつからどんな年金が
支給されるか確認した方が良いだろう。

 もっとも、前にも書いたが、昭和16年以前生まれとか、
一部の人以外の、これから60才を迎える人は、1号、2号、
3号など色々な年金を通算して25年以上加入していなければ、
何の年金も貰えないのである。

 これは、私が悪い訳でもなんでもなく、「国民皆年金」を
払っていないのは、「みんな、あなたが悪いのよ」。
 このような人は、このメルマガが届くと不愉快になるだ
ろうから、しばらく購読中止していた方が精神衛生上も良い
かもしれない。

 私は「支給」と言っているが、正式には「給付」という用語
が使われている。どちらの言葉も戦後の配給を連想するお上か
らの下されものというイメージがある。しかし、給料や賞与を
頂くという感覚に慣らされてきた勤め人は、「へへー」とひれ
伏して有難く押し頂くのである。

 ここでは、一般的に65才から貰う場合を説明するが、
「死んじゃうからもっと早く貰わないと、」、「国を信じない
ので、貰うものは65才と言わずさっさと貰いたい」、「お金
有りすぎ。今一生懸命使いまくっているので、無くなったら貰
おう」というような人は、繰り上げ支給や繰下げの制度がある
ので、社会保険事務所に教えを乞いに行くと良いだろう。

 ここで最大の関心事は、いくら貰えるかということだ。
 最高額は、40年間納めた人が、今年の見込み額として、
65才から年間79万7千円貰える「見込み」なのだ。
 昨年はこの見込み額は年間80万4千円だったので、どう
やらじわーと減らしにかかっていることが、想像力が乏しく、
勘の鈍い私にさえ分かるのである。

 最低額は、通常は、25年間という年金受給資格ぎりぎり
の人の支給額年間約50万円となる。

 この金額を誰も保証してくれるわけでもないし、制度が変
わることも考えられるので、お奨めしても保証はしないのだが、
利回りという観点から見るとすごく高利回りなのである。

 月13、300円の年金保険料として、払った元金に対する
基礎年金支給額は、年間10%を超える配当と同じなのである。
 もっとも、元金は返ってこないので、長生きする自信のある
人にはすごくお奨めなのだが、みんなで長生きされると年金が
破綻するとかで、年金制度改訂や、支給額を下げたり、税金と
いう、これまた国民が払う補助金を増やしたりということに
なる。
 
 当然65才までには、25年は払うことになるだろうと
いう年金制度の大前提が、ここに来て狂って来ているのは、
新聞等で4割も国民年金を払っていない人がいるという
ニュースで知っていると思うが、これは1号さんという国民
年金プロパーの話であって、会社や役所に勤めている人は、
「おれ、払わない」「払うのやだやだ」と駄々をこねても
勝手に会社やお役所で、給料から天引きして払ってしまう
のである。
 しかも、勤めている限りずーと天引きされるのである。

 しかし、この「基礎年金」に限っては、40年以上掛け金を
払っても、頭打ちなのである。
 18才から60まで、ずーと地道に勤めてきたサラリーマン
なら「私のあの2年分はどこへいったの」と言っても、麦わら
帽子やブーメランよりも確実に戻ってこないのである。

 ましてや、定年後再雇用などという最近の流行にのせられて
年金保険料を払い続けることは、その時に貰えるはずの厚生
年金が減ったり、なくなったり(これは、別の号で詳しく書
く予定)して、戻ってこない麦わら帽子に「キスミー」して
いるのである。

 今回は、自営業になっても、あまり大きな差が出ない基礎
年金部分でしたが、次回は、自営業になったら、縁が切れる
厚生年金の報酬比例部分などの支給はどうなのかということ
をうまく纏めようと思ってはおりますが、簡単な基礎年金
部分ですらこのていたらく、なかなか纏まらないこと必至。

 私と違って、まとまって分かり易く詳しい点で、
菅野さんのメルマガ「知っておきたい年金のはなし」
http://homepage2.nifty.com/miming2/magazin-top.html
を、併せて購読されることをお勧めします。
---------------------------------------------------
●マガジン登録・削除、バックナンバーご覧になりたい方は
http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2-2.htm
にてメールアドレスのみで行えます。
●本メルマガは、第3者への転送・お勧めは大歓迎です。
 また、原文のままの引用も、大歓迎かつ好き放題です。
------------------------------------------------------
発行 かがみ事務所 代表 鏡味 義房
 かがみホームページ http://myweb.to/kagami
 ☆真面目なノウハウ集「社内ベンチャー成功ノウハウ集」は
   http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2.htm
 ☆監修お願いしている税理士・AFPの青木 茂人さん
問い合わせは、kagami@k6.dion.ne.jp(コピーしないでアドレス打ってください)宛てに。
 

トップヘ  メルマガindexへ