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 成功したら大きなビジネスにつながる社内ベンチャー!
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       社内ベンチャー成功ノウハウマガジン
               -vol.7(第4章−1) 2002/10/16
     -運営は権限委譲をして、実際の責任者に任せる-
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またまた間隔が長くなってしまいましたが、過去のメルマガは
http://www.adgnet.or.jp/~kagami/mag2.htm を参照下さい。

第4章 運営は権限委譲をして、実際の責任者に任せる

(1)経営者は運営を組織の責任者に任せることはにがて。

 前回までの、新規事業を立ち上げるまでの意思決定や、組織作りは、経営者の
決定事項であり、そのための具体的プラン作り、準備は、経営スタッフが担うことになる。

 しかしながら、新規事業を立ち上げたら、その運営は、組織でなされなければならない。

 得てして、新規事業で、分かった人が社内に少ないということから、新規事業の
プランニングに携わった人が運営も責任者となる場合があるが、運営と企画的な
要素は異なることが多いので、別の人が運営をした方が良い結果になる場合が多い。

 私の場合も、パソコン通信全盛の時に、インターネットに特化した決済をということで、
先読みをすることには自信があるが、立ち上げた新規事業を担当するには、問題が多い
と思っている。
 
 なぜならば、事業は、決まったら、その実績が付くまでころころ戦略を変えることでは
なく、継続的にしつこく実行をする必要があるからである。
 どうしても、先読みする人は、実施に入ったら、もう次のステップの施策を考えている
ということが多い。

 新規事業だけでなく、市場の変化が激しい昨今では、「変化対応がポイント」という
ことで、それを検討するスタッフだけでなく、実施している人も、変化に対応して常に
考えろという変革の声が高い。
 ところが、実施・運営する責任者が、あまり先読みしすぎると、現在実施している
施策を否定することにもつながる。
 これでは、いくら良い事業プランでも実績があがらないことになる。

 事業は、普及して、企業の収益・利益に貢献するまでいくつかのステップが必要であり、
先読みして、描いたステップを省略や否定してしまうことが、特に、新規事業では
起こりやすいし、マイナスになることが多い。

 なぜ、そうなるかというと、市場の変化ではなく、新規事業では、市場の現状
把握が違っていることが多いからである。
 市場の現状に合っていない場合は、素早く修正した施策を実施に移すことが
必要となり、市場実態把握や施策変更の提起は、実施責任者の役割といえる。
 市場の実態把握のちょっとした違いを修正することと混同して、途中のステップ
(これで、軌道にのった場合の実績が付くわけではないし、そのステップでの
数値目標に対して下回る場合も多いので)の施策自体が間違っていたという認識
に繋がってしまうことが多い。

 経営者に要求される資質は、時代の変化、市場の変化の兆候を早くつかみ
先読みして戦略変化をできることが求められ、事実、優秀な経営者は、我々
凡人が気づく前に、大胆な戦略変更をしている。

 現在の変化の激しい時代に、「自己否定、変革」を求める必要はあるし、
過去の成功にしがみついている人は、変化対応には困った存在という面
はあるが、経営者以上に、現状否定を実施責任者がしてしまう危険性も
はらんでいる。

 そこで、経営陣は、戦略決定、事業の大枠については、その役割を担うが、
実施に入った事業の運営は実施責任者に権限を委譲する必要がある。
 経営者は、実施責任者に誰を指名するかという段階での意思決定が重要
になる。

 どうしても、経営者は、自身の経営の読みが理解できる、先読みのできる
人を、運営責任者として指名したがる傾向になる、先読みを実施に移さない人
を指名することは、経営者としては、相当な覚悟をしないとできない。
 頑固で、戦略変更に指示をしても過去に拘るような人は論外であるが、
分かっていても、とぼけて現在の施策を実施できる人が必要となる。

 ある自動車部品メーカーで、初めてブラジルに会社を作って、生産を
始めた時に、そこの経営者として力を発揮した方が、
「客観的には次善か、次々善の策だが、現状レベルでは実施困難なので、
それを、平然とベストの策として実施する」ということをおっしゃていたが、
このような、分かっていても、今のステップでのベストは、現状より少しでも
ベターであればよしというやりかたができる人材が最適なのですが。

以下はVOL.8にて
(2)運営責任者に権限を集中できる部下も少ないのが現実
(3)業績評価項目や、求める役割表は適切か。
(4)企画と実施部隊は別の人に。

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発行 かがみ事務所 代表 鏡味 義房

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