国家賠償請求をして、多重債務者に過払い金を払おう 2010.1.29
1.国家賠償請求をすることによって、過払い金支払い推進に少しは寄与する
2.国家賠償請求だけで過払い金支払いを満たせるか。
国家賠償の対象を過払い金全額とすれば足りますが、支払った税金やシステム費用だけではとても過払い金を賄えません。
問題は、多重債務ではなく、正常完済した人や、現在正常に取引できている顧客にまでに過払い金を支払わなければならない点にあります。
もし、このような正常な人にまで過払い金を支払うなら、国家賠償金額は、全債務者に任意支払いができる金額としなければ理論が合いません。
3.過払い税金のアコム単独決算での計算例(2005年3月期例)
(1)利息制限法による利息収入を計算する
(消費者向け無担保ローンのみ:利限法での「未満、以上」とアコムの「以下、超」の差はあるが)
単独決算の平均残高(2004年度末と2005年度末の平均)10万円以下 20,107百万円:@
10万円超100万円以下
1,021,287 百万円:A
100万円超 505,389 百万円:B
利限法に置き換えた利息収入
@×20% +A×18% +B×15% = 263,661百万円・・・・・・・C
これは、2004年度末と2005年度末消費者向け無担保ローン平均残高 1,546,784百万円 に対して17.05%となる。
(2)実績の消費者向け無担保ローン営業貸付金利息収入
平均利回り 23.55%の収入は 364,944百万円・・・・・・・・・・・D
(3)営業収益の修正
ローン収入C−D=△101,283百万円修正(E)されることにより
営業収益は 402,734百万円が301,451百万円と修正される。
(4)当期利益、税金再計算による過払い税金金額計算(利息収入以外の経費、収入に変更はない)
2005.3月期単独税引前当期利益は 139,031百万円−101,283百万円(E)=37,748百万円(F)
となり、修正前決算の税負担率 34.1%をFに乗ずると 税額は 12,872百万円(G)となる。
支払済みの法人税、住民税及び事業税 47,540百万円(H)は、12,872百万円(G)と修正されるので、
H−Gの 34,668百万円が過払い税金となる。
(5)消費者向け無担保ローンのみならず、利限法超過分は決算修正に同様の計算を行って過払い税金に反映させる。
注1)本来顧客個人別に利限法と実際収入に計上した利息収入を計算すべきだろうが、それが出来るデータの有無と、システム処理が可能か不明なので、上記計算とした。
注2)過去10年分は完済客分を除く計算をする必要はない。10年以上前の期においては、完済から10年以上経った顧客分を除いて計算する必要がある。(方法は?)