偽造キャッシュカード対策(2005.2.24)
偽造キャッシュカード被害は、被害者が過失がなくとも補償されないとか新聞紙上をにぎわせているが、銀行が補償することをするためには、偽造対策が急務となっている。
対策は大きく分けて、(1)カードを偽造されないものにする(2)仕組みで偽造カードを使えない状況にする、という2つの対策がされはじめた。
1.偽造されないカードにする動き
- この中の本命は、ICカードに本人の静脈情報を入れておき、ATM利用には、手をかざして、ICカードに記録された静脈と利用する人の静脈が一緒かを判定するのである。
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- これであれば、ゴルフ場でスキミングされてカードを偽造されたような場合でも、他人がそのカードを使って、預金をおろすことはできないので、完全な偽造カード対策と言える。
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- ただ、最近、銀行相互やコンビニなどATMの開放がされているので、全てのATMが同じ静脈認証方式のATMにならないと、現在の利便性が制約されることになる。
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- 静脈認証のシステム、ICカードへの切り替え、ATMの改造などの費用は大きなものになる上、時間もかかるので、体力のない金融機関では対応を見送るということも起こるだろう。
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- また、銀行統一の方式になるかどうかという、銀行や郵貯、コンビニなどで今まで、大同団結する意思決定がなかなかなされないことも危惧される点となる。
- 当てにならない噂では、既に静脈認証も「手のひら」「指」といった違いにこだわっているという話しもまことしやかに流れてくる。
(追記2005.3.3日経新聞から)
■手のひら 東京三菱、UFJ(開発は富士通)
■指先 みずほ、三井住友、郵貯(開発は日立)
預金者も選択を迫られる。どちらも利便性では大きな違いはない。ほとんどの人は現在使っている銀行が採用した生体認証カードの方を使うことになりそうだ。例えば東京三菱銀の預金者は、三井住友銀のATMで預金を引き出せなくなる。
富士通対日立というシステム開発会社の戦いも絡んでいる。
銀行やシステム会社の競争は自由だが、利用者に支持されないで消えて行くとしたら、膨大な投資をするので、テストでは済まされないだろう。
そろそろ、銀行もCS(顧客満足)を原点に据えることを考えても良いはずだが。
2.仕組みで出せないようにする動き
- 携帯やパソコンなどを利用して、ATMから現金出金を制限する方法が有力な防止策となる。
- 偽造される前提にたって、偽造されても事実上現金引出しをさせないという発想となる。
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- この方式で進んでいるのは、eBankと福岡銀行の方式となる。
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- 例えば、eBankでは、今までは、ATMから現金出金されたら、即刻電子メールで出金のお知らせが届く仕組みになっていた。この方式では、不正に引き出されることは防げなかった。
- 今回新たに、インターネット(携帯含む)で、ATM出金停止、解除ができるようになったことで、引き出す寸前に解除して、引き出したらまたATM停止に戻しておくということで、偶然その間に偽造カードによる引き出しがされない限り、現実には殆ど防ぐことが可能であろう。
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- 福岡銀行はeBnakと同じATMの停止、解除を、携帯で行なう。
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- この方式の良い点は、足並みの揃わない全銀行統一方式は必要ないので、できる銀行からやれば、その銀行の利用者は少なくとも、現在使えるどのATMでも安全に利便性も確保できることにある。
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- また、費用的には、ネットバンキング機能の改良だけで、ATM改造費用やICカード切り替え費用などもかからないで早く実施に入ることができることからも、現実的対策として今まさにはじまった。
私はたいした金額がはいっていないのに、eBankで既にATM利用停止設定している。入金はできるので、憐れんだ犯人が入金して貰えるかもしれない。
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