遅れ馳せながら楽天がクレジットカード決済窓口に(2005.8.4)
日経記事から「顧客が買い物で利用するクレジットカード番号を出店店舗に流さず、楽天が直接管理する。店舗には顧客情報対策の強化を促し、セキュリティー責任者の設置を義務づける。仮想商店街で、カード番号が出店者側に渡らない方式は初めての試み。」という。朝日新聞では「三木谷浩史社長は「カード番号が店舗に渡らない世界で初めての試み」と述べた。」とあるが、このような現状認識遅れが、楽天が今までこのような動きをしてこなかった理由なのだろう。
既に、1996年のアコシス以来、店舗にクレジットカード番号を伝えないモールが主流になっている。(アコシスはクレジットカード会社が自らやっているが、プロバイダー系モールはじめ今やクレジットカード番号を店舗では扱わないことが常識、モールではないアマゾンなど大手ECショップは自前で安全にクレジットカード管理をしている)
今まで楽天ができなかった理由は、楽天経由で売り上げを上げていなかったということにある。
もし、楽天が売り上げの窓口になれば、店舗の返品処理、店舗が出荷前に売上げ計上するとか、ひどい場合はから売り上げなども起こるが、そのようなトラブルに楽天が対処できる仕組みも含めてきっちり実施されるとは到底思えない。
今まで、各店舗で注文者にサンキューメールや、出荷連絡をしていたし、返品処理もきっちり処理して好評だった店は楽天がクレジットカード会社との間に入って、邪魔になる可能性も出てくる上、手数料も高くなるというので反対するだろう。
楽天が個人情報保護に名を借りて、消費者と加盟店に便利な仕組みを検討しないでクレジットカード処理を代行するなら、優良加盟店の楽天離れも考えられる。
消費者保護の観点で言えば、情報だけ管理するとかえって、消費者とのトラブルは増える可能性が大きい。