郵貯も消費者金融進出に第一歩(2003.5.7)
日本郵政公社はJCBと提携し、2003.6月から郵便貯金用キャッシュカードと毎月一定額を支払えば利用残高を繰り越し返済できるリボルビング払いクレジットカードを発行する。
郵貯カードにJCBが2001年から発行しているリボ払いカードの新しい形「あるとき払い型カードArubara(あるばら)」の機能を加えた。
今回のニュースは、JCBのクレジット機能を利用したものだが、この返済を、郵貯ATMだけでなく、郵貯インターネットホームサービスのWEB連動即時振替決済(リンク振込み)など自由返済機能として、今後郵貯が用意することになると想定される。
郵貯カードで、利用金額を口座振替する加盟店手数料のみに頼るカードよりも、リボという金融機能を持った(金融収益が見込める)カードによって、郵政公社は新たな収益源を生み出せる可能性が高い。
リボカードで、自由返済という機能は元々消費者金融会社が行なっている方式で、今日消費者金融会社が高収益になっている主因は、消費者利便性を提供しながら、金融収益を得られる自由返済型リボにあるといえる。
消費者金融会社とは提携しないと言っている郵政公社だが、実質同じ機能のJCBの「あるばら」を提携カードとしたことで、将来自前で発行する準備に入ったとも考えられる。
全国2万店舗以上で、ATM網だけでなく、インターネット取引も可能な郵政公社は、消費者金融会社にとって、将来最大のライバルとなる可能性を秘めた動きとして注目する必要がある。