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各銀行が、それぞれ独自にホームバンキングを始めつつある、以下に実際に使ってみた感想を含めて記してみる。
1.ホームバンキングの方式
(1)電話による方法(テレホンバンキング)
電話を使う方法は、インターネット普及以前から、2通りの方式が数行で行われてきた。
- 1つの方法は、専用の端末を配布して電話回線につないで振り込みや残高照会ができるホームバンキング端末方式として三菱銀行などが行ってきた。
- この方式は、端末が専用であるため、ホームバンキングソフト込みで提供でき、セキュリティーも利便性も高いが、コストも高いため、毎月の使用料、利用時の手数料も高く、ホームバンキングとは言っても実際には、振り込みや確認の多い企業向けが主であった模様。
- 従って、この方式で専用の端末を使わないで、電話回線を使って、パソコンで処理する方式(パソコンは銀行は配布の必要がない)につながってきている。
- この方式の例はさくら銀行「ブラウザバンキング」があげられる。これはパソコンでNetscapeやExplorerといったブラウザーを使うので特別なソフトの提供も必要なく、さくら銀行の場合には、申し込みをWEBですると自宅宛てに申し込み用紙が送られてきて、返送すると「利用時ID番号」がおくられてきて使えることになる。
- 利用できる範囲は残高、入出金明細等の紹介サービスと振り込みサービス、案内や住所変更など。
- ただし振り込みは、予約方式であってその場での振り込みはできない上、手数料が金額によっても異なるが、銀行店頭の振り込みと比べ高い。
- もう1つの方法は、プッシュダイヤルを利用した音声自動応答によるサービスがある。
- この方式であれば、パソコンがなくとも、誰でも簡単に利用できる。
- 私はさくらテレホンダイレクトを利用している。(ブラウザバンキングが有料だから無料のテレホンダイレクトを)
- さくらはテレホンダイレクトを申し込むとカードを送ってくる。この裏面にテレホンダイレクトでは使わないが、16桁の確認コードと8桁のお客さま番号が入っている。恐らく、インターネット利用を三和と同じような方法ではじめる布石ではないかと想定しますが。
- ただし、音声にしたがって、口座番号、暗証番号入力、何を利用するかなどメニュー選択をしてゆくので、時間が掛かる上振り込み先の口座入力等間違える要素も大きいので、振り込み先は、事前に郵送申し込みで振り込み先番号を取得するなど、一見簡単そうな方式でも、実際に使ってみると結構注意力も必要で面倒な操作となる。
- シティーバンクは店頭、電話といった活用の仕方が前提になっているので、さくら銀行テレホンダイレクトなど邦銀と操作性に大差はないが、できるメニューは豊富。
(2)インターネットによる方法(ネットバンキング)
【2002.3月「ネットバンキング」現状と課題(一部2003.3.19追加)は別ページをご覧下さい。】
- 専用端末に変わりインターネットを使う方式は、パソコン保有者の大部分が、インターネット接続となって来た時代背景がある。
- インターネットでの回線は、どのようなルートをたどって個人と銀行につながるか分からないため、途中で第3者が不正を働く恐れがあり、安全対策に各行が種々の方式を採用している。
- 基本的には暗号化されたデータ送信と、パスワード管理がされており銀行のATMでの操作と同等の安全性はあると考えられる。
- 私個人は、シティーバンクの「シティーダイレクト」を利用しているが、円預金からドル預金、さらには定期預金へといった形でシテーバンク内での取り引きは殆ど問題なくできる。あとは他行への振り込みができればこれだけで事たりるので、期待している。
- なぜ、シティーバンクを使っているかは、私のような色々使う者にとってとにかく手数料や使用料といったものが一切かからないからありがたいし、本来個人がパソコンで指示入力もするので、銀行は店頭に比べ人手が節約できるのに、パソコン利用者から手数料を取るといった一部の目先しか見ない銀行に反発していることもある。
(ネットバンクが無料でりようできるようになったこともあって、安全性の高い暗証番号カード方式の銀行に変えてしまいましたので、その後、citibankは使わなくなりました)
- 三和銀行の方式は画期的(2000.6.8。一部2001.1.11追加)注:三和銀行はUFJ銀行になりましたので、三和=UFJと読替えて下さい。
- 三和銀行のテレホンバンキングに申し込むと届け出住所宛てに送られてくるカードを利用した便利で安全な方式は2000.3月から始まっている。
- 送られてきたカードには、契約者番号と、10X10の100の乱数が印刷されている。
- はじめの登録や送金などの画面で、x行のはじめから4文字を入力してくださいなどゲーム感覚でセキュリティーを確保している。もちろん、個々のカードで乱数は異なる。(本当カッテ疑っている私は、何人かと見せ合って確認しました。これって、万が一のことがあったら善管注意義務とやらに反している?)
- それ以外にも、一回での振り込み限度額を事前に指定しておくなど、随所に芸術的な技が使われており、恐らく他行がプライドではなく、利用者のことを考えているなら、この方式が1番と思います。
他行が、三和銀行にこの方式を使わせてといったら、恐らく快諾されることと思います。
- ただ、難点は、安いとはいえ月利用料(30万円以上の預金等あれば無料)がかかる点だが、citibankのように、これからは顧客を分けたサービスだと考えれば納得いくかも知れません。
私のようにあちこち試す人にとっては、なけなしのお金が分散するのでつらいのですが。
(注:20001年から無料となった、モバイルバンキングも全て固定の月利用料は不要となった)
- 三和銀行は、インターネット専用銀行の設立は行なわず、本体の預金口座にインターネット・モバイル・テレホンバンキングを付加して利便性を高め、安いコストの運営費を振り込み手数料の低減だけでなく、外貨預金等に年利+0.3%など商品の優位性にもつなげてきている。
- 既存口座と新規口座を、店舗、インターネットで募集してゆくことで、既存預金口座に付加価値ができる点では、インターネット専業銀行の新規顧客獲得コストと較べ、優位に立つことができると思われる。
- 逆に考えると、インターネット専用銀行より、インターネット取引口座数は、三和方式の方が、早く多くできると考えられるので、インターネット・モバイルを利用した決済や、金融取引など今後の展開で先行できる可能性が高い。
- 三和のインターネット取引メニューは、どんどん充実してきて、例えば、口座振替を、三和のWEBで指示するだけで、今までと逆に三和から、口座振替通知が電話会社等に伝わる(したがって、届け出印を押したり、口座振替用紙の送付も不要で、私が押し方が悪くて何回も押しなおせといって戻ってくることもない)など画期的なメニューが揃いつつある。
- ということで、Citibankは口座を解約して、三和に集約。
後は、ジャパンネット銀行など、もっと便利になるかもしれない銀行(今は三和の方が私は利用機会が多いが、ショッピング決済などで、より便利になる可能性はあるので)も口座を作っているので、その内に感想など。(20001.1.11)
- 方式が各行で違っても、便利で安い方法であればそれだけ使えばよいので、統一する必要は感じない。
- 現に、東京三菱は、公開鍵を使った暗号送信でカード番号と2つの暗証番号(citibank方式か)で1999秋から実施に入る。(注:実際は暗証番号カード利用による安全性の高い方式になった) この方式はインターネットバンキング利用アンケート等で利用しやすいというトップ評価を受けているcitibankのcitidirectと同じ利用しやすさを全面にだして、顧客満足に繋げることと、今後ショッピング決済、金融商品購入代金口座間振替、家計管理との連動といった総合金融サービスへつなげるツールとなりやすいことを考慮したものと考える。
- この点では,既にSECE(SETの日本の銀行版)を実施して、同じくID番号と暗証番号方式に切り替えた富士銀行がSECEについて「専用ソフトの組み込みや認証書の取得が必要なことに不満が集中した」(日経ディジタルマネーシステム1999.5.15)といっているが、富士銀行は一方では、日本インターネット決済推進協議会の幹事としてSET方式推進をしている。
- 一方、千葉銀行、福岡銀行、横浜銀行、滋賀銀行等は導入、改良コストが掛かるSECE方式を日立S/Sが運営するバンキング共同センターに委託する。委託料は分からないが、単独での導入と比べて、当然安いし、システム構築が不要となるメリットがあるが、自行の特色、顧客の利用しやすい形の改良等はしにくいので、今後の急進がのぞめる低コストのホームバンキングを武器にはしにくいと想定される。また、利用者にとっては、SETと同じ煩雑なインストール、認証が必要。
- 世界標準の方式を多数行の力で実施しようなんて間違った動きに乗っかろうといった銀行は、従来の護送船団の考え方と似通っている。もっとも、世界標準の決済方式は存在しないが。
- ショッピングの支払いがホームバンキングでできる便利さの追求では、第一勧銀がはじめたホームバンクで宝くじが買えるサービスは、恐らく第一勧銀のホームバンク顧客増加につながるだけでなく、一等がホームバンキング売り場から出ましたなど、話題性も十分考えられる面白いものになっている。
- このサービスは、宝くじを単にホームバンキングで買えるだけではない。
買った宝くじの当選通知がメールで来て、当せん金は自動的にDKBの預金口座に振り込まれるという宝くじファンにとってはたまらないサービスとなっている。
- 宝くじ発行を一手に握っているDKBならではのサービスであり、DKBに当せん金が滞留するという、うまい仕組みになっている。
- このケースは宝くじだが、自行の強みを生かした金融商品を含む商品・サービスとの組み合わせによる差別化は今後の競争力につながると思う。
2.ホームバンキングの安全性
- 技術的には、私の使ってみているシティーバンクの「シティーダイレクト」でも、暗号送信だけでなく、暗証番号を○○回間違うと口座へのアクセスができなくなる、一定の時間画面を開きっぱなしにすると接続が切れるなど仕組みでも相当安全策を講じている。
- 三和銀行方式は、単なる暗証番号でなく、利用時点で乱数を入力するので、ワンタイムパスワードに近い考え方として、更に安全性が高い。(その割に使い勝手も良い)
- また、さくらブラウザバンキングはインターネットは経路が特定できないため、一般の電話回線を利用したシステムとして、安全性を高めている。
- しかし、一般利用者にとっては、安心して使える専門家の保証があれば、それだけで技術的チェックを専門家でもないのにする必要はない。
- その観点では、全く安心して利用できる規約にはなっていないことが残念。力を入れている各行でさえこの状況では、商売がらチャレンジする人以外では、規約を読まない人しか利用しないのではないか。
(1)シティーダイレクト例
- 「当行が所定の確認手続きを行ったうえで正当な利用者とみなして取扱いを行った場合は、暗証番号につき偽造・変造・盗用または不正使用その他の事故があってもそのために生じた損害については、当行は一切責任を負いません。」
- 「公衆電話回線、専用電話回線などの通信経路において盗聴がなされたことにより契約者の暗証番号、取引情報などが漏洩した場合、そのために生じた損害について責任を負いません。」
- 「本サービスの利用から生じたいかなる損害についても、当行等に過失がある場合を除き、当行等は責任を負いません。」
(2)さくらブラウザバンキングサービス例
- 「電話回線、専用回線等の通信経路において盗聴等がなされたことにより契約者のID、パスワード、取引情報等が漏洩した場合、そのために生じた損害については、当行は責任を負いません。」
- 「ブラウザバンキングの提供にあたり、当行が当行所定の確認手続を行ったうえでブラウザバンキングの依頼者を契約者とみなし取扱いを行った場合は、ID、パスワードにつき、偽造、変造、盗用または不正使用その他の事故があっても、そのために生じた損害については、当行は責任を負いません。」
3.ホームバンキングの発展性 (1999.6.2)
(1)金融の国際化、規制緩和への対応
- 銀行が、今までになかった、投信や保険、証券といった商品を販売する場合。
- インターネット等で、詳しく説明、場合によっては、条件をいれたら、保険料が画面にでる等シミュレーションができ、納得したら、その場で申し込める。さらに、金融商品購入代金はそのまま、ホームバンキングで自分の預金口座から振替えられる。
- 各店頭に新金融商品について、詳しい人を教育して販売できる体制は時間とコストが掛かることから、インターネット販売を完結できる意味でも、金融ビックバン対応には強力な武器になろう。
(2)小切手、送金等銀行固有の決済業務の効率化
特に米国での小切手の処理は限界に達している。
ただし、小切手処理を、ホームバンキングで行うことは、インターネット上では、デビット決済と殆ど同一の処理となり、敢えて小切手処理と言わないでいつのまにか、デビット決済と言っているかもしれない。
(3)デビット決済、クレジット決済
- 利用時にデビットもクレジットも同一の加盟店管理会社から、会員管理会社(銀行)へデータがわたされ、顧客がどちらの決済で支払うかを選択できる。(日本ではクレジット事業は,本体では行なわず、銀行系クレジットカード会社で行なっていた。米国では銀行が顧客獲得、顧客固定化の観点でクレジットカード一体型でのクレジットカードを発行しており、最大のクレジットカード会社は銀行になっている。銀行法でクレジットカード業務ができないわけではない様で、今ではスルガ銀行のように、銀行本体でのクレジットカード発行がはじまっている)。
- 月次支払いもホームバンキングでいくら支払うかの指示が出せ、預金口座から、クレジット支払いに振替えられる。
- 米国では、小切手送金した金額以外で残った金額が自動的にリボルビング残高に組み込まれるが、ホームバンキングでは、日本でも、毎月ご利用明細で今月のお支払い額といった、自由度の少ない支払い方法ではなく、その月の家計収支に見合った支払いが可能になる。
- リボ利用が増えないといった日本のクレジット会社の悩みが、ホームバンキングによって解消されよう。ただし、銀行で実現される。
(4)家計との連動
- マイクロソフトが、米国で圧倒的なシェアをもった家計管理ソフト
クイッケンを買収しようとして、独禁法でストップされた趣旨がここにある。
- 家計の管理で現金のみの家計簿から、クレジット未精算管理、預金残高管理、小切手管理、といった項目を総合して管理できる家計ソフトで、クレジット支払いも資産運用もホームバンキングと連動して管理できる。
- 銀行口座もホームバンキング上では、現金と同じ支払い手段であって、余剰現金預金は資産運用に回し、足りなければ、資産を取り崩すか、リボまたはローンにする指示ができ、かつその残高、支払い予定管理もできる。
- これは、銀行からみると、顧客の固定化に強力な武器となることを意味している。
- 2000.7月から三和銀行のホームバンキングでは、明細照会をすると、マイクロソフトマネーに明細をダウンロードで取込むことができるようになった。
マイクロソフトマネーが私のパソコンに入っていないので(ソフト買ってもないので)使ってみた感想はそのうちにアップします。
- ちなみに私個人がクレジットカードを使うと、現金出納帳にすぎない現在の家計簿に、ご利用控えを挟んでおき、請求がきた段階で、預金残高確認をして、足りなきゃどうしようなんてことになっていて、それに、各種支払い、住宅ローン、ガス、新聞。。。。で手作業の現金管理は、神わざになってしまって、ちょっと油断していたり、請求書の来ないクレジットカード年会費なんかを忘れていて、預金不足で口座振替できなかったりで、大混乱しております。
- 早く、使いやすい総合ホームバンキング(含む家計管理)時代にならないかと常々思っています。早くできた銀行に、全部乗り換えてしまうということは、銀行も早いもの勝ちといった、今まではなかった抜け駆け行がでるかも知れないが、大手行にとっては横並びの方が有利かもしれません。
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